

シニアの円熟とタフなファイトを両立させる、唯一無二のアクションヒーローとして独自の座を築いてきた名優リーアム・ニーソンが、自身のキャリアの集大成として選んだ最新作。自身の故郷である北アイルランドを舞台に、裏の顔を持つ男が引退を決意した矢先、再び戦いの連鎖に巻き込まれていく。ハードな修羅場を幾度も潜り抜けてきた主人公が、その優しさゆえ、疲弊した心身を奮い立たせながら、最後の戦いに立ち向かっていく姿に、ニーソン本人の姿を重ねずにはいられない。
監督は長年、クリント・イーストウッド監督とタッグを組んできたロバート・ロレンツ。撮影もイーストウッド作品の撮影を長年手掛け、『チェンジリング』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたトム・スターンが務めた。手練れの制作陣とニーソンのタッグによる、渋く滋味深いドラマの重厚さとキレのある痛快なアクションを併せ持つ大人のための極上のエンタテインメントが誕生した。
1970年代の北アイルランド。血塗られた過去を捨て去りたいと願う暗殺者フィンバー・マーフィーは、正体を隠し、海辺の田舎町で静かに生きていた。だが、引退を決意した矢先、凄惨な爆破事件を起こしたアイルランド共和軍(IRA)の過激派が町に逃げ込んでくる。さらに、ある出来事が彼の怒りに火をつけ、テロリストとの殺るか殺られるかの壮絶な戦いが幕を開ける。避けられぬ宿命に導かれるように、フィンバーは過去に決着をつけるため、最後の死闘に身を投じる――。
1952年6月7日、イギリス領北アイルランドのバリーメナ生まれ。幼少期にボクシングに打ち込み、その後演劇に興味を持ち、1976年に舞台俳優としてキャリアをスタート。1981年の映画『エクスカリバー』でスクリーンデビューを果たした。1990年の『ダークマン』で主演を務めた後、1993年のスティーヴン・スピルバーグ監督作『シンドラーのリスト』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、一躍名優としての地位を確立。その後も『マイケル・コリンズ』(1996年)、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)、『バットマン ビギンズ』(2005年)、『ナルニア国物語』シリーズ(2005年~)など、多くの話題作に出演。2008年にはアクション映画『96時間』のブライアン・ミルズ役で新たな代表作を得て、以降『アンノウン』(2011年)、『フライト・ゲーム』(2014年)、『ザ・グレイ』(2012年)、『トレイン・ミッション』(2018年)などのアクションスリラー作品で活躍。シリアスな演技からアクションまで幅広くこなし、長年にわたりハリウッドの第一線で活躍し続けている。
1983年1月4日、アイルランドのティペラリー州生まれ。17歳で演劇の道に進み、2001年に『バリの夢』で映画デビュー。シェイクスピア劇にも積極的に取り組み、史上最年少でロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの『ローマ帝国の崩壊』に出演した。映画では『マイ・ボディガード』(2004年)、『バッド・デイ・フォー・ザ・カット』(2017年)、『スリー・ビルボード』(2017年)などに出演。テレビドラマでは『ローマ』(2005-2007年)のオクタヴィア役で注目を集め、『ベター・コール・ソウル』(2015-2022年)のステイシー役でも評価された。
2022年にはマーティン・マクドナー監督の『イニシェリン島の精霊』で、コリン・ファレル演じる主人公の妹役を演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされるなど国際的な評価を獲得。マーベル映画では『アイアンマン3』(2013年)以降、人工知能FRIDAYの声を担当するなど、幅広いジャンルで活躍を続けている。
1992年5月20日、アイルランドのコーク生まれ。幼少期から演技に興味を持ち、7歳の頃にダブリンの演劇学校に通い始める。2002年に映画『Reign of Fire』でスクリーンデビューを果たし、その後『バットマン ビギンズ』(2005年)、『シャドウ・ウォリアー』(2010年)などに出演。2011年、HBOのドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』でジョフリー・バラシオン王役を演じ、一躍世界的に知られるようになる。残虐で冷酷な王を見事に演じ、視聴者から強烈な印象を与えたが、2014年に同シリーズを降板後、一時的に俳優業から引退し、学業に専念。その後、演劇活動にシフトし、2019年に舞台を中心とする劇団を設立。2023年にはテレビシリーズ『Sex Education』の最終シーズンに出演するなど、再び映像作品にも登場し、俳優としてのキャリアを再開している。
1953年2月9日、北アイルランドのベルファスト生まれ。幼少期から演技に興味を持ち、王立演劇学校(RADA)で学ぶ。卒業後はロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどで舞台俳優としてキャリアを積み、シェイクスピア劇やクラシック作品で高い評価を受ける。映画では『エクスカリバー』(1981年)でデビューし、その後『ロード・トゥ・パーディション』(2002年)、『ミュンヘン』(2005年)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011年)のアバーフォース・ダンブルドア役など、多くの名作に出演。『シャーロック・ホームズ: シャドウ ゲーム』(2011年)や『マン・オブ・スティール』(2013年)などの大作でも活躍した。テレビでは、HBOの『ローマ』(2005-2007年)のカエサル役や、『ゲーム・オブ・スローンズ』(2017年)のマンス・レイダー役で知られる。2021年の映画『ベルファスト』では、祖父役としての演技が高く評価され、アカデミー賞助演男優賞にノミネート。長年にわたり舞台・映画・テレビで活躍し続ける実力派俳優である。
1953年5月30日、アイルランドのダブリン生まれの俳優。14歳で演劇に興味を持ち、アビー・シアターの演劇学校で学んだ後、イギリスやアイルランドの劇団でキャリアを積んだ。テレビでは、『新スタートレック』(1987-1994年)でマイルズ・オブライエン役を演じ、続編の『スタートレック: ディープ・スペース・ナイン』(1993-1999年)でも同役を演じたことで広く知られるようになる。映画では、『ザ・スナッパー』(1993年)と『ザ・ヴァン』(1996年)での演技が評価され、ゴールデングローブ賞にノミネート。その他、『コン・エアー』(1997年)、『レイヤー・ケーキ』(2004年)、『ザ・ダムド・ユナイテッド』(2009年)、『グラスランド』(2014年)、『マリッジ・ストーリー』(2019年)などの作品に出演。コメディからシリアスな役柄まで幅広くこなし、テレビ・映画の両分野で長年にわたり活躍を続ける実力派俳優である。
1965年4月1日にウィスコンシン州で生まれ、特にクリント・イーストウッドとの長年にわたるコラボレーションで知られている。イーストウッドの映画制作会社「マルパソ・プロダクションズ」の主要メンバーとして、『ミスティック・リバー』(2003年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)、『父親たちの星条旗』(2006年)、『硫黄島からの手紙』(2006年)、『グラン・トリノ』(2008年)など、多くの名作のプロデューサーを務めた。2012年には、クリント・イーストウッド主演のスポーツドラマ『人生の特等席』で監督デビューを果たし、2021年にはリーアム・ニーソン主演のアクションスリラー『マークスマン』を手がけた。彼の作品は、リアルで感情的なストーリーテリングを重視し、ドラマとサスペンスを巧みに融合させることが特徴である。プロデューサーとしての豊富な経験を活かし、今後も映画界での活躍が期待される監督の一人である。
国際的に活躍する映画プロデューサーであり、アジアとハリウッドの架け橋となる作品を数多く手掛けてきた。壮大なスケールの歴史映画やファンタジー映画のプロデュースに携わり、世界的なヒット作を生み出してきた。代表的なプロデュース作品には、アカデミー賞を受賞した『ラストエンペラー』(1987年)、アン・リー監督の『グリーン・デスティニー』(2000年)、ウォシャウスキー姉弟による『クラウド アトラス』(2012年)、『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)、そしてマット・デイモン主演の『グレートウォール』(2016年)などがある。これらの作品は、東洋と西洋の文化を融合させた壮大なビジュアルとストーリーテリングが特徴である。また、音楽映画『ベター・マン』(2024年)にも深く関わっており、ロビー・ウィリアムズの波乱万丈のキャリアを描いたこの映画は、従来の音楽ビオピックに新たな形を加えた作品として注目されている。さらには、映画業界において資金調達や国際共同制作の分野でも優れた手腕を発揮しており、アジアと欧米の映画市場を結びつける重要な役割を担っている。そのプロデューススタイルは、映像美とストーリーテリングのバランスを重視し、商業的成功と芸術性を両立させる点にある。彼の実績は、今後の国際映画制作のさらなる発展にも大きく貢献すると期待されている。
1961年12月16日、カリフォルニア州で生まれの撮影監督。彼のキャリアは照明担当(ガファー)としての経験に基づいており、技術的な面での深い知識と、物語やテーマを視覚的に引き立てる映像表現に定評がある。特にクリント・イーストウッド監督との長年のコラボレーションで知られ、イーストウッド監督の映画において多くの重要な作品の撮影を担当した。数々の映画賞にノミネートされ、特に『ミスティック・リバー』や『チェンジリング』での撮影が評価された。『ミスティック・リバー』では、アカデミー賞撮影賞にノミネートされたほか、ゴールデングローブ賞やシカゴ映画批評家協会賞にもノミネートされた。また、『チェンジリング』でもアカデミー賞撮影賞にノミネートされ、撮影監督としての実力を証明した。スターンの作品は、その技術的精緻さと芸術的な映像美が融合したものとして、映画界において高く評価され続けている。